
ギークプラス(東京・渋谷区)は8月29日、物流会社のセンコーと、プーマジャパン(東京・品川区)の新基幹物流センター構築プロジェクトを支援したと発表した。オープンSCMソリューション「skylaa」と自動棚搬送ロボット「EVE」42台を納入し、効率化と省人化を実現した。

「skylaa」は、ERP(基幹システム)やOMS、WMS(倉庫管理システム)といった既存システムを変更せずに、BtoB(店舗・量販店向け)とBtoC(個人向け)の在庫を一元管理できるソリューション。

新センターでは「skylaa」で、販売、在庫、物流のデータを統合。また、AI(人工知能)で需要予測から配送計画、物流実務までを支援することで、在庫ロスや輸送コストを削減する精緻な需給計画を可能にした。
ピッキング作業では「EVE」を活用し、商品を納めた棚やコンテナを自動でピッキングステーションまで搬送。作業者はその場で商品を取り出すだけで済み、移動時間が削減された。同時に作業スピードと正確性を高めた。
その結果、EC(電子商取引)取扱商品数の大幅な拡大に対応しつつ、在庫消化率や出荷業務の生産性が改善。売り上げが拡大し作業量増加した場合でも少人数で柔軟に対応できるようになった。
プーマはサッカーやランニング、ゴルフ、バスケットボールといった幅広い競技向けから、デザイン性を生かしたライフスタイルアイテムまで多くの商品を展開する。同社は、これまでBtoBとBtoCを別々のシステムとオペレーションで運用し、センコーが3PL(サードパーティー・ロジスティクス)として主にBtoBチャネルの物流支援を担ってきた。
しかし、物流コスト上昇や人手不足、EC需要拡大を背景に、リードタイム短縮と在庫の一元管理・自動化が急務となり、新センター構築を計画。豊富なロボット導入実績とオペレーション設計力を持つギークプラスをパートナーに選定した。
センコーは今回も3PLとして、倉庫オペレーション全体の運用設計や管理を担当。ギークプラスのシステム・ロボットを組み合わせ、従来より効率的で柔軟な物流体制の構築に取り組んだ。
プーマでは新システムを主にBtoC出荷での在庫自動引き当てに「skylaa」を活用しているが、今後はBtoBの補充出荷にもシステム対応を拡大する計画。BtoBの補充作業の高頻度化や効率化、「EVE」の適用領域を広げ、省人化を進める。また、「skylaa」の機能をカスタマイズし、配送リードタイムを考慮した物流拠点再配置なども検討する。