プリファードロボティクス(東京・千代田区)は12月10日、三菱電機ビルソリューションズ(同)、大英産業(北九州市)と、マンション内で自律搬送ロボットがエレベーターと連携し、ロビーと部屋間での荷物搬送を行う実証実験を開始したと発表した。2025年11月から2026年1月まで福岡市内の50戸規模のマンションで実施する。

実証実験では、三菱電機ビルソリューションズのIoTプラットホーム「Ville-feuille(ヴィルフィーユ)」のロボット移動支援サービスを活用し、プリファードの自律搬送ロボット「カチャカプロ」をエレベーターと連携させる。

ロボットは、要求に応じてエレベーターを自動で呼び出し、目的階まで自律移動する。扉の開閉制御や走行の安全管理とも連動する。買い物の荷物搬送、ゴミ出し、宅配の受け取り、大型荷物の運搬など、生活のさまざまな場面での搬送に対応する。利用者は、スマートフォンなどの専用ブラウザアプリからロボットを操作できる。将来的には宅配ボックスと連携し、荷物の取り込みを含めた自律配送も目指す。
居住者とロボットが同じエレベーターに乗る状況も検証し、生活空間でのロボット受容性や安全性のデータを収集する。実証の対象マンションでは、50世帯の居住者が参加し、技術性能、運用効率性、満足度、安全性などを評価する。
3社によると、少子高齢化や労働力不足に伴う省人化・省力化を背景に、建物内の自動化ニーズが高まるなかで、ロボット技術が注目されている。一方で、建物内のロボット運用ではエレベーターなどのビル内設備との統合が不可欠となっている。
3社はそれぞれの技術と知見を組み合わせ、実証を通じて生活者の利便性向上と物流の課題を解決するソリューションの確立を目指す。今後は、実証結果を踏まえ、サービス改善や体制整備を進め、清掃、警備、見守りなどの分野での展開も視野に入れている。








