シンカー、福岡の産業見本市で、ばら積みピッキング可能な新型ロボットハンド公開

ばら積みピッキング可能なロボットハンド「Think hand」

Thinker(シンカー、大阪市)は10月10日、ばら積みピッキングが可能な新型ロボットハンドのプロトタイプ「Think hand」を、マリンメッセ福岡(福岡市)で開催する産業見本市「モノづくりフェア2023」(10月18日~20日)で特別公開すると発表した。

「Think hand」は、ばら積みピッキングをカメラ不要で行えるロボットハンド。従来のロボットハンドシステムに、モノの位置と形を非接触で把握できる独自開発のセンサー「近接覚センサーTK-01」と、関節を柔軟に保つフローティング機構を備えた「フローティングフィンガー」を搭載する。

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センサー基板(左)とAI基板

「Think hand」に採用した「近接覚センサーTK-01」は、カメラ不要で、赤外線とAI(人工知能)を組み合わせたセンサー。物体の位置と形を非接触で高速に認識できるため、従来の産業用ロボットでは難しいとされていた鏡面・透明物質の取り扱いや、現場環境に応じた臨機応変なピックアップが可能。

また、ティーチング(ロボットに作業を教え込む工程)の時間や労力も大幅に軽減できるため、従来と異なる領域でロボットハンドの活用も見込めるという。

同じく採用した「フローティングフィンガー」は、カメラレスばら積みピッキングを実現するための新しい手法。

これまでカメラでの画像認識など、高額になりやすいシステムを必要としてきたモノのピッキングを、柔軟な関節と、3次元の変位計測が可能な近接覚センサーを組み合わせることで、カメラなしで対象物の形に合わせてつまみ上げることを可能にした。同社の取締役でもある、小山佳祐・大阪大学大学院基礎工学研究科助教が独自に研究・開発した。

シンカーでは、展示会会場で「Think hand」がピッキングするデモンストレーションを実施。ロボットを始め、近接覚センサーやフローティングフィンガーの性能をアピールする。