モーションリブ(川崎市)は10月24日、米スペースXの衛星通信サービス「Starlink(スターリンク)」を利用し、同社の人の力加減や物の感触を正確に遠隔地に伝送できる制御技術「リアルハプティクス」を使った感触が伝わる遠隔操作技術の提供を開始したと発表した。
モーションリブは、危険作業の遠隔化による安全な就労や、身体障害などで移動に制限がある人もが自由な就労ができる世界を目指し、「協働ロボット用感触伝送遠隔操作ユニット(URH)」を始めとした、「リアルハプティクス」を活用した遠隔操作ソリューションを提供する。
今回、スターリンクを利用し、屋外やルーラルエリアといったインターネットが整備されていない環境下でも感触の伝わる遠隔作業を可能とする技術の開発に成功。スターリンクの通信が行える屋外拠点と光通信回線の屋内拠点間で協働ロボット同士を遠隔操作し、土木作業や農作業を模した実証実験を行い、良好に作業ができることを確認した。
同社では、これまで遠隔地にリアルな感触を伝送するためには、5Gや高速インターネット通信網といった整備されたインターネット網を必要だったが、今回の技術を利用することで、インターネット網の構築に課題を持つ環境でも繊細な感触を伝送し、操作者が移動することなく遠隔地のロボットを操作して様々な作業を行うことができるという。
また、新技術は協働ロボットに加え、建設機械、農業機械や産業用装置などに応用が可能で、建築、土木、農業といった、現場でインターネット網の構築が難しい業界での利用を見込んでいるとしている。