ユニバーサルロボット、大久保歯車工業が協働ロボット導入、生産性30%向上

大久保歯車工業で加工機にワークを投入するURの協働ロボット「UR10e」

デンマークのユニバーサルロボット(UR)は1月18日、大久保歯車工業(神奈川・厚木市)が、同社の協働ロボット「UR10e」を導入したと発表した。

大久保歯車工業が採用した「UR10e」は、可搬重量12.5kg、動作半径は1300mm、重量は33.5kg。同社は、従来は人手を増やすことで生産増に対応してきたが、人材確保の難しさから自動化・省人化に取り組むことを決定。一方で、従来型の産業用ロボットでは大がかりな安全対策が必要となり、設置スペースの確保も難しい状況となっていた。

しかし、2019年の国際ロボット展でURの協働ロボットを出会い、柔軟性や自力でシステム構築が可能な点に着目しロボットの導入プロジェクトを開始。現場の担当者が自動化できそうな工程を洗い出し、歯切り加工前後の工程を対象に選定。一連の工程の自動化を、システムインテグレータなどの専門家の協力を得ずに5か月間で実行した。

歯切工程は、これまで7台の設備、2名体制で行っていたが、「UR10e」の導入で1名の省人化に成功。2名体制時には交替や昼休憩で発生していた設備の遊休時間も解消され、稼働時間が増加。その結果、生産性が30%向上した。

同社では「今後もURロボットを導入し、作業者が展示会や技術研修などに参加できるようにすることで、社員のスキルアップと成長を促進し、よりよい作業環境を提供していきたい」(大久保利彦社長)としている。