ドローンファンド、全方向移動機構の搬送ロボット開発のトライオーブに出資

DRONE FUND(ドローンファンド、東京・港区)は1月23日、九州工業大学発の搬送ロボット開発スタートアップ、TriOrb(トライオーブ、福岡・北九州市)に、ファンドを通じて出資したと発表した。

同社の「DRONE FUND 3号投資事業有限責任組合(3号ファンド)で投資を実行した。トライオーブは球体を使った全方向移動機構をコア技術とした搬送ロボット「TriOrb BASE(トライオーブ・ベース)」を開発するスタートアップ。

全方向移動機構は、九州工業大学が研究成果で実現した機構。段差や斜面を走破する性能と、ミリ単位の精度での移動性能があり、製造業や建設業などの現場で物資の搬送に利用できる。

ドローンファンドによると、車輪を使う従来のAGV(無人搬送車)では、移動方向の制限や切り返し動作が発生し、自由な移動が困難なことに加え、段差や斜面での走破性の低さや積載可能重量の少なさなど、「走行環境の対応」と「多種多様な搬送物の対応」が課題で現場での導入は限られていたという。

同社では、トライオーブは、全方向移動機構の技術で、こうした課題を克服しており、これまでのAGVが走行できなかった現場での活躍が期待できるとみており、技術的優位性や、創業から短期間で一定の事業進捗を実現した経営能力を高く評価し、投資を決めたとしている。