UR、ファブエースのTIG溶接支援システムを自社ロボットソリューション認定

ファブエースのTIG溶接支援ロボットシステム「Co TIG Welders」

デンマークのユニバーサルロボット(UR)は3月4日、板金加工機械システムのなどのファブエース(横浜市)が開発・製造するTIG溶接支援ロボットシステム「Co TIG Welders」を、URの協働ロボット(URロボット)の周辺機器プラットフォーム「UR+ソリューション」に認証したと発表した。

「Co TIG Welders」は、URロボット「UR5e」と、安全マットやシグナルライトなどTIG溶接に必要な機器をパッケージ化したシステム。UR5eには、溶接用アプリケーション「URCap」を、あらかじめインストールした。

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「Co TIG Welders」が溶接する様子

オペレーターは、ロボットが加工対象物にアプローチする経路をロボットのティーチペンダント上で設定後に、溶接開始点から終了点までを教示し、溶接条件を設定する。URロボットが搭載する「ダイレクトティーチング」機能で、溶接トーチを手でつかんで溶接箇所を直接教示することが可能。溶接電源には、パナソニック製溶接機「TIG溶接機 YC-300BP4」をオプションで提供するほか、手持ちの溶接機を利用することもできる。

システムは、ロボットを扱った経験のないオペレーターでも容易に溶接作業の設定ができるため、ロボットの教示時間は従来型産業用ロボットに比べ大幅に削減できるという。システムは、鹿児島県の高精度精密板金業の藤田ワークスを始め、東北から九州までの複数の板金加工企業に採用されている。

ファブエースでは認証を受け、「『Co TIG Welders』を活用してもらうことで、熟練作業者は高付加価値な業務に専念し、新たに溶接業務に携わる人材にはロボットとの協働作業に喜びを見出していただけるようであれば大きな喜び」(浅野慎一郎・代表取締役)とコメントしている。

一方、URは「ファブエースが開発した『Co TIG Welders』で、誰でも簡単にTIG溶接の自動化を試みることができるようになった。少量多品種生産の現場でも、溶接の自動化が進むことを期待している」(山根剛・日本支社代表)と述べている。