インダストリーアルファ、AMR事業で四恩システムと九州の製造・物流業を開拓

インダストリーアルファ(東京・板橋区)は4月23日、AMR(自律移動ロボット)関連事業で、自動搬送システムを手掛ける四恩システム(福岡・久留米市)と、九州地方の製造業と物流業の顧客開拓で協業すると発表した。

今回の協業では、インダストリーアルファのAMR導入や導入後のメンテナンスで、四恩システムが協力する体勢を取ることで、九州地方で本格的な顧客獲得を行う。

インダストリーアルファでは、九州地方の顧客の開拓でAMRの導入前デモや導入後のオンサイトのサポート面で、地理的な距離がネックとなり、顧客対応のスピード感の欠落が障壁となっていた。

今回、九州に地盤を持ち、地場企業からの信頼もある四恩システムに協力してもらうことで、課題解決につなげる。具体的には、久留米市の四恩システムの本社にインダストリーアルファのAMRを常設。デモの実施やメンテナンスで連携することで、顧客ニーズの一層の充足を図る。

インダストリーアルファと四恩システムは自動搬送領域を得意としており、インダストリーアルファが、AMRのハードとソフトの開発、独自設計のFMS(AMR制御システム)で現場ごとのルールや要望への柔軟な対応、四恩システムは、ハードとソフトを扱い、開発から現場立ち上げまで一貫したサポート、1000kg可搬のAGV(無人搬送車)を開発し、金属加工工場などに導入、九州に地盤を持ち、緻密なヒアリングなどを通じて地場企業と緊密な関係を構築といった強みを、それぞれ持つ。

インダストリーアルファによると、九州地方では半導体関連工場の建設が相次ぎ、シリコンアイランド実現の期待が高まる一方、九州に地盤を置く自動車部品メーカーや食品製造メーカーなどでは、人件費の上昇で利益率の低下や労働力不足による生産量の低下などが懸念されており、工場や倉庫で、より少ない人数で安定稼働が可能な自動化の必要性に直面しているという。

こうした背景から、同社と四恩システムが協業し、AMR導入で工場・倉庫の省人化・省力化のニーズをくみ取ることにした。特に製造業では、直接的な付加価値の創出につながりづらい搬送工程の自動化への要望が高まっているとしており、自動搬送で2社のシナジーを発揮していくとしている。