三菱電機は5月23日、高速・高精度FA機器と制御技術を組み合わせたロボット「TOKUFASTbot(トクファストボット)」で、「パズルキューブを最速で解くロボット」のギネス記録に挑戦し、世界最速記の0.305秒を達成してギネス世界記録に認定されたと発表した。
回転機構に自社製のサーボモーターと、90度回転で0.009秒の動作と独自のAI(人工知能)技術を応用した色認識アルゴリズムでロボットを制御。加えて、サーボモーターやシーケンサ、産業用PC、タッチパネル表示機器、カメラなどでロボット機構を構成し、機器間の高速な信号接続と制御することで世界最速を達成した。これまでの世界最速の認定記録は0.38秒だった。
回転機構の高速動作は、パズルキューブの回転機構に小型・高出力で信号応答性の高いサーボモーターを使用することで、90度回転0.009秒の動作を実現した。
色認識アルゴリズムは、独自AIのアルゴリズムを応用し、ブロックの位置やロボットハンドの影で同じ色の見え方に差異があっても補正することで、パズルキューブの色を正確な識別ができるようにした。特に色味が近く識別が難しい赤色とオレンジ色のブロックの自動認識・識別も可能という。また、最短の手数でブロックの色を全てそろえるため、パズルキューブの回転手順を解析する計算プログラムを最適化し、演算処理を高速・高精度化した。
そのほか、家電や鉄道などの製品に利用されるモーターの製造工程のコイルを作る巻線装置で使用する「電線を正確な位置に速く配置する動作制御(位置決め技術)」を応用し、パズルキューブを世界最速で回すロボット動作を可能にした。
同社では今後も、製品の高効率化や高性能化などに取り組み、革新的なモノづくりを追求していくとしている。