スギノマシン、ロボット切削加工用エンドエフェクター開発

SELFEEDER DUO Robot Edition
SELFEEDER DUO Robot Edition

産業機械メーカーのスギノマシン(富山・滑川市)は6月13日、ロボットの切削加工用エンドエフェクター「SELFEEDER DUO Robot Edition(セルフィーダデュオ・ロボット・エディション)」を開発したと発表した。

産業用ロボットの先端に取り付け、ロボットが切削加工をできるようにするエンドエフェクター。穴あけやねじ立て加工を始め、これまでロボットでは難しいとされてきたフライス加工も高精度で行うことが可能。同社の穴あけとねじ立てユニット「SELFEEDER(セルフィーダ)」をベースに、ロボットの切削加工に必要な機能やオプションを追加した。

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「SELFEEDER DUO Robot Edition」の穴あけ・ねじ立て作業イメージ

スピンドルを前進・後退させる送り機構を搭載し、サーボ制御で主軸回転と同期するため、高精度な穴あけとタップ加工が可能。ATC(自動工具交換装置)に対応する。加工送りとツール回転の切削加工の一連動作はエンドエフェクターだけで完結するため、加工精度がロボットの動剛性や軌跡精度に依存せず、自由な姿勢で位置決めができるロボットの利点を最大限に生かした切削加工が行えるという。

また、スピンドルの送り軸に加え、主軸に直交するスライドユニットを搭載。ロボットが自由な姿勢から加工対象に近づくことが可能で、あらゆる角度からフライスやエンドミル加工ができる。ロボットより高い動剛性と真直度があり、加工負荷の大きいフライス加工でも高精度な平面度を仕上げられる。

加工中の送り軸にかかる加工負荷を検知し、加工条件を自動で調整する「送り軸負荷検知制御システム」も搭載。穴あけ加工では、先端のドリルがワークを抜ける時の加工負荷を検知し、加工条件を自動で調整することで、鋳物部品や大型部品のような寸法精度にバラつきがあっても抜けバリの発生を抑制し、高品質な穴あけができる。

スギノマシンでは、航空機や船舶の部品、自動車業界で検討が進むギガキャストの部品など、大型部品のロボットを使った切削加工での利用を見込む。