ユアサ商事は7月3日、シンカー（大阪市）と共同で、バラ積みピッキングロボットを開発したと発表した。
ロボットは、指先センサーの「近接覚センサー」と、2D（二次元）カメラを利用したシステムを搭載。繊細な動きと対象物への距離感を素早く解析しスピードを調整することができる。
これまでのロボットシステムでは、せんべいや薄型の樹脂成型品などの薄く繊細な成型物を破損しやすく、ピッキングの自動化が難しかった。
また、奥行きの距離感を認識することも難しく、対象物を傷つけないためには、対象物の重なりを防ぐベルトコンベアーなどの大規模な設備や高額な3D（3次元）カメラシステムの導入が必要だった。さらに、画像解析に時間がかかることも障壁となっていた。
開発したバラ積みピッキングロボットは、こうした課題を解決した。そのため、価格面やスペースの制限などで、ピッキングの自動化システム導入が困難だったピロー包装機のワーク導入や次工程へのピックアンドプレースなどで活用できるという。
ユアサ商事では今後、薄くて割れやすい煎餅などの食品のピックアンドプレースを始め、樹脂・薄い金属の製造工程で、といった用途での利用を開拓する。
