セイコーエプソンは6月3日、製造業を始め、ライフサイエンス分野や製薬業でも活用できる人と協働可能なロボットを開発したと発表した。2025年内をめどに、日本と欧州で販売し、対象地域を順次拡大する。
開発した人協働ロボットは、可搬重量6kg、アーム長は900mmで、軽量・省スペース設計を実現。本体重量は17kgで、移設や再配置が容易なため、実験室や製造ラインなど限られたスペースでも導入できる。制御コントローラーは、幅：440×奥行き：205×高さ：135mm、重量約6kgと小型・軽量で、AGV（無人搬送車）やAMR（自律移動ロボット）の搭載を想定して設計した。
ロボットのきょう体はネジ穴や鋭角エッジのない滑らかなデザインを採用し、ほこりや汚れの付着を防止することで、クリーンルーム環境でのコンタミネーション（汚染）リスクを低減できるようにした。
プログラミングには、近年研究開発現場で幅広く利用されている「Python（パイソン）」を採用。専門的なロボット言語を習得しなくても導入できる。電源はAC100V～230VとDC48Vに対応。「ISO 14644-1 Class 5」に準拠したクリーン搬送能力と「IP54」に準拠の防じんや防滴性能も備える。
エプソンでは、製造業で熟練労働者減少に対する課題や生産性向上の意識の高まりや、ライフサイエンス分野では高精度で再現性の高い作業に加え、コンタミネーション（汚染）を防ぐための厳格な衛生管理、製薬業界や研究所では、繊細な作業を安全で清潔に行うといったニーズがあるとしており、その需要に応えるため、クリーンルームに対応し、高精度制御や直感的な操作性を備えた人協働ロボットを開発したとしている。
