
ロボットバンク(東京・新宿区)は10月10日、AMR(自律移動ロボット)「Starシリーズ」にエレベーター制御との連携機能を実装し、国内での提供を開始したと発表した。従来は単一フロアに限定されていたAMRの稼働領域を建築物の上下の縦方向の移動ができるようになり、工場や倉庫、オフィス、ホテル、病院など多層階施設での完全自動搬送を可能にする。
新機能では、AMRがエレベーターの呼び出しから乗り込み、目的階への移動、降車後のタスク再開までを自律的に実行する。フロアをまたぐ搬送の待ち時間と手戻りを抑え、シームレスな搬送フローを実現する。多層階施設で、階層間の搬送が人手や別設備でつなぐ必要があり、自動化が分断されるという特有の課題を解決する。
「Starシリーズ」は、東京ドーム約2個分に相当する約10万m2の広域マッピングを記憶して自律走行が可能。今回のエレベーター連携で水平と垂直の両方向に稼働範囲を拡大した。
新機能を活用すれば多層階の工場・倉庫の場合、原材料の入荷からライン間・出荷までの工程間搬送を一気通貫で自動化できる。病院やホテルでは、薬剤や検体、リネンや備品配送の効率化が図れる。大規模オフィスビルで社内便や書類配送、巡回業務などにも利用できる。
機能は、基本料金には含まれず、施設のエレベーター仕様に応じて個別提案するオプションサービスで提供する。