メディカルユアーズ、ロボットとIT活用の調剤支援システムで特許を取得

ロボット薬局を開発するメディカルユアーズ(神戸市)は10月12日、調剤準備用ロボット、自動薬剤受取機、処方せんの電子データを使った調剤支援システムで特許権を取得したと発表した。

取得した特許の名称は、「調剤支援装置、調剤支援システム、調剤支援方法および調剤支援プログラム」。具体的には、電子化した処方せんデータと調剤準備ロボットを直接連動させた独自の調剤支援システムを開発した。

1012medicalyours2 - メディカルユアーズ、ロボットとIT活用の調剤支援システムで特許を取得
従来のワークフローと、特許技術を使ったロボット薬局のワークフローとの比較

技術を活用することで、医師が発行する処方せんデータが、クラウド経由で瞬時に薬局のレセプトコンピューターを通じて調剤準備ロボットに伝わる仕組みで、患者は待ち時間、薬局側は調剤ミスを削減できるため、医療安全と患者の利便性向上につながるとしている。

メディカルユアーズでは、指定したロボットを使用して処方せん情報を管理する外部データベースにアクセスを行う場合に限り、ライセンス料を請求せず特許を無償で開放する考え。

同社によると、現状で日本では統一したインターフェースが存在しないため、EHR(電子健康記録)を使うには医療機関と薬局が同じメーカーのシステムを使用しなければならず、普及に至っていないという。

一方で、政府が情報共有の基盤「全国医療情報プラットフォーム」の創設を推進するなど、今後は統一したインターフェースの整備を始め、医療機関や薬局の情報共有が加速することが見込まれるとしており、その際に今回の技術は強力なツールとして、医薬連携や医療の質や患者の利便性の向上に役立つとしている。