NECネッツエスアイ、本社ビルでサービスロボット群管理標準化の実証実験

ロボット同士の狭路での待ち合わせ

NECネッツエスアイは3月5日、サービスロボットを群管理するための標準規格案を策定し、複数種と複数台のサービスロボットを稼働する実証実験を実施したと発表した。

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実証実験の概要

NECネッツエスアイでは、複数のサービスロボットが同時に進入することが困難な建物設備の使用状況や、すれ違いが困難な通路の通行状況などを「リソース管理サーバー」に集約し、制御システムとの接続に必要な仕様の標準規格案を策定。

今回、本社ビルで「リソース管理サーバー」を使って複数種と複数台のロボットを群管理制御する実証を行った。

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エレベーターの乗降

具体的には、中国ユンジテクノロジーの配膳ロボット「YUNJI GOGO(ユンジ・ゴーゴー)」、中国プードゥーロボティクスの清掃ロボット「PUDU CC1(プードゥーシーシーワン)」、米国テミの案内ロボット:temi V3(テミブイスリー)」を使用。

サービスロボットを使ったエレベーターの呼び出し、乗降、順番待ち、ロボット同士の狭路での待ち合わせ、すれ違い、セキュリティドアの通過、順番待ちなどを検証した。システムは、自社のマルチロボット管理プラットフォームを利用した。

同社によると、労働力不足を解消で、同一の建物内で、異なる役割を担うサービスロボットを同時に複数台稼働することが効果的な一方、管理する制御システムはメーカーや機種で異なるため、制御システムを連携させる必要があったという。

加えて、エレベーター、セキュリティゲートなどの建物設備との連動や、狭路・袋小路など建物内の構造に合わせた調整が必要で、スムーズな導入や活用エリア拡大の妨げになっていたとしている。

こうした課題の解決策として、サービスロボットを群管理するための標準規格案を策定。実証実験で実効性を確かめることにした。

実証は、経済産業省の「令和5年度革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」に採択された補助事業の一環として実施した。今後は、策定した標準化案を国内での規格化・標準化する取り組みを進める。