センシンロボティクス、扶桑電通と、UGV・UAVで公共設備を遠隔点検する実証実験

遠隔操作で走行するUGVの様子
遠隔操作で走行するUGVの様子

センシンロボティクス(東京・品川区)は8月27日、扶桑電通(東京・中央区)と、公共設備の遠隔点検の実証実験に参画したと発表した。

実証実験ではUGV(無人地上車両)とUAV(無人航空機)の遠隔点検での有用性を検証した。

UGVの実証では、センシンロボティクスがインターネット経由で遠隔操作や自律走行が可能なUGVを構築し、扶桑電通のアームロボットと組み合わせて実施。適切なUGVの選定、アームロボットへの搭載、システム統合などの技術面で支援と、UGVにアームロボットを組み合わせることで、自律走行の現場巡視だけでなく、必要に応じてアームロボットを活用した復旧操作も可能で、多様な設備の点検が効率的に行えることを確かめた。

特に、定期的な保守業務や障害時に一時的な切り分けを遠隔で行うことで、人的リソース削減と点検精度向上につながったという。

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非GPS環境下の屋内飛行するUAVの様子

UAVの実証では、非GPS(全地球測位システム)環境下で屋内飛行が可能なUAVとして米スカイディオのドローンを活用。センシンロボティクスが、扶桑電通に研修などのUAV導入支援、飛行の難易度が高い狭小部や、らせん階段がある現場での飛行サポートを行った。

実証の結果、遠隔からの操作で、操作者の技量に関係なく、UAVの自律飛行で計器類のデータ取得や、有事の初動調査に活用できることを確認した。また、リアルタイムにデータを取得することで、異常を確認した際には即座に対応し、障害時の設備ダウンタイムを最小限に抑え、効率的な運用ができることが分かった。

2社は、実証実験で得た知見をもとに、今後も協力を継続し、設備点検の省人化や効率化の実現に取り組む。具体的には、UGVで、自律移動時の正確性と安全性の向上、遠隔操作時の操作性の高度化を図る。一方、UAVでは、取得した計器類や設備外観のデータをAI(人工知能)分析システムで解析することで、人間の目で見落としがちな小さな異常を早期に発見し、保守作業の効率化できることから、システムの改良やAI活用を通じて設備点検の高度化を進める。