NEC、徳島県、電脳交通とロボットタクシーの公共交通サービスの実証運行

NEC、徳島県、電脳交通とロボットタクシーの公共交通サービスの実証運行

NECは7月14日、徳島県、電脳交通と、自動運転技術を活用した、ロボットタクシーの公共交通サービスの実証運行を2025年度に実施すると発表した。国土交通省の「地域公共交通確保維持改善事業」に採択された事業で、人口減少や高齢化が進む地方都市で、公共交通を持続可能な形で維持と確保する新たな手段として注目される。

実証運行は、徳島県鳴門市西部エリアを中心に実施する。ロボットタクシーは運転者が同乗する形で運行し、運賃は無料。運行業務は、徳島県内のタクシー事業者の旅サポート(きんときタクシー)が担う。実証では、自動運転車両の技術検証に加え、既存の有人タクシーとロボットタクシーが混在する環境での配車や運行オペレーションの最適化、住民の利用実態や受容性も確かめる。

実証でNECは自動運転技術のハードウエアとソフトウエアの提供、徳島県は地域の交通事業者や行政機関など関係機関との調整、全体の事業企画・運営、電脳交通は、配車システムやスマートフォン向けアプリの技術提供、運行管理の実務的支援を担当する。

徳島県は、これまでも「次世代地域公共交通ビジョン」に基づき、公共交通の維持・改善に向けた施策を進めてきた。今回の実証は、その延長線上に位置付けており、自動運転を活用することで、運転手不足が深刻化するタクシー業界で供給体制の安定化と運行効率の向上を図る。

三者は今後、今回の実証運行の成果を踏まえ、将来的には「レベル4」と呼ばれる完全無人運転の実現を目指す。「レベル4」は、限定エリア内であれば運転者不要で車が自動走行できる自動運転の段階で、実現すれば、ドライバー不足に悩む地域で公共交通を安定的に提供できるようになるという。