
3D-LiDAR(ライダー)スタートアップの中国ヘサイテクノロジーは8月13日、ロボット向けミニサイズの超半球型3D-LiDAR「JTシリーズ」と、車載グレードの全固体型LiDAR「FTX」を、世界ロボット大会で初公開したと発表した。
「JTシリーズ」は、第4世代の自社開発チップアーキテクチャを採用し、世界最広となる360度×189度の超半球視野を実現した。コンパクト設計を採用しており、ロボットへの隠蔽(いんぺい)設置が容易で、物体と接触しても対応可能な「ゼロブラインド」の三次元知覚が可能。
一方、「FTX」は、30m先の反射率10%の低反射物も正確に検知できる。従来品の2.5倍の解像度と、毎秒49.2万点の点群データの取得で、電動自転車や歩行者をタイムリーに認識できる。サイズは従来よりも大幅に小型化し、重量を66%削減。埋め込み設置で露出部分はわずか47×29mmで済み、デザイン性も向上させた。
ヘサイでは世界ロボット大会の会場でJTシリーズを搭載した中国ドゥーボットのロボット「Vbot」で初のスマート伴走ロボットや、中国ロボットエラのヒューマノイドサービスロボット「星動Q5」を展示。LiDARがロボットの「目」として、正確な位置特定やナビゲーション、障害物回避を支援し、環境認識と実行の効率化を促進する重要なセンサーであることを印象づけた。
ヘサイは、OEM(相手先ブランドによる生産)量産で培った自社開発チップ、精密製造技術、百万台規模の量産力を活用し、ロボット市場に迅速に製品投入を進めている。2025年上半期には、中国のロボット向け3D-LiDAR出荷数ランキングで首位を獲得している。