インキュビオン、ミツカンミュージアムが完全自動ロボットガイドツアーを国内初で導入

案内ロボット「みむみん」
案内ロボット「みむみん」

サービスロボット事業のインキュビオン(東京・新宿区)は9月30日、ロボットプラットホームを手掛けるリビングロボット(福島・伊達市)と、ミツカングループが運営する体験型博物館「MIZKAN MUSEUM(MIM、ミツカンミュージアム)」(愛知・半田市)が、館内ツアー案内をロボットが自動で行う「完全自動ロボットガイドツアー」を開始したと発表した。

MIMはこれまで、専任スタッフが「大地の蔵」エリアでの展示案内を担当してきたが、持続可能な運営と新たな来館体験を提供する目的で自動案内導入を検討。複数機種から比較した結果、米テミの自律移動型案内ロボット「Temi V3」を採用し、2024年秋に2週間の実証実験を実施し、ロボット案内の可能性を検証。本格的な導入を決めた。

導入では、展示物の動作連動や無人運用の安全性確保を目的に、ロボット本体の改良や館内整備、運用シナリオの見直しを行った。インキュビオンが現場の要件定義と運用設計を担い、リビングロボットが「Temi」とのシステム統合を実施した。

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案内中の様子

MIMでは9月から、酢づくりの歴史や展示見どころを紹介する約15分のツアーをロボットが案内。ロボットは1時間あたり4回、館内の定時ツアー開始時刻に合わせて自動案内を開始する。来館者アンケートでは「案内が面白かった」「みむみんがかわいい」といった肯定的な反響が多く、従来の運営スタッフにも好評で、MIMの持続可能な運営体制の一助となっている。

両社は今後、今回の取り組みを実証フェーズを成功事例として位置付け、ほかの施設や博物館でもロボット導入を進める。