三菱重工機械システム(MHI-MS、神戸市)は10月30日、自動車を自律的に運搬する車両搬送ロボットを活用した完成車輸送の実証試験を、中城湾港(沖縄・うるま市、沖縄市)のモータープールで12月1日より開始すると発表した。沖縄県の実証支援事業で実施する。
今回の実証は、完成車輸送の屋外作業環境の改善や、少子高齢化に伴う人手不足、脱炭素化などの社会課題解決を目的に、ロボットによる自動搬送技術の有効性を検証する。
MHI-MSの車両搬送ロボットは、自動車メーカー工場やモータープール、ショッピングモール、空港などで車両自動搬送やバレーパーキングを行う機器。車両に自動運転機能や通信機能を搭載せずに運搬が可能で、既存オペレーションの大きな変更を行わずに導入できる。
実証試験の場となる沖縄は、20歳以上の人口1人当たりの自家用車保有台数が全国平均を上回るなど、自家用車の保有率が高い地域。特に中古車は、新車より価格を抑えられることが多くの県民に支持され、生活インフラとして重要な役割を果たしている。
中城湾港モータープールでは、中古車の一時保管・搬出入作業が日常的に行われており、夏季の高温多湿環境下での作業負担や、人手不足が課題となっていた。MHI-MSは、こうした現場環境の改善に向け、ロボットで効率的な車両搬送を後押しする。
同社は実証を通じ、屋外作業の負荷軽減、労働力不足への対応、ヤード内マネジメントのDX(デジタルトランスフォーメーション)推進、ガソリン車の自走削減によるCO2排出抑制などの効果を検証。ロボット活用の有用性を確かめる。








