東京大学と千葉大学は9月8日、ドローンの空撮とAI（人工知能）の深層学習（ディープラーニング）を使って、畑で栽培する数千個体あるブロッコリー花蕾の大きさを自動で推定するシステムを開発したと発表した。
東京大学大学院農学生命科学研究科の郭威准教授、加藤洋一郎教授、千葉大学大学院園芸学研究院の深野祐也准教授らによる研究グループが開発した。
システムは圃場でブロッコリーを栽培すると同時にドローン空撮を行い、2年間にわたって検証。その結果、ブロッコリーの花蕾を、2～3cm以内の誤差という高精度で推定できた。また、気象データと組み合わせることで約10日後まで予測できることがわかった。
さらに、ブロッコリーの全個体のサイズ変化と、S、M、L、LLのサイズごとの出荷価格を組み合わせ、全個体を収穫したと仮定したときの総出荷価格（生産者の収入）を日ごとに計算。収穫日が1日変わるだけで規格外が最大約5％増加し、収入が最大約20％減額することも突き止めた。
研究グループでは、この成果から全個体の大きさを測定する技術が、規格外野菜を減らし、収入向上と環境負荷の低減の2つにつながるとしている。
システムは、キャベツやハクサイなどの露地野菜にも応用が可能という。研究グループでは今後、このシステムを発展・実装することで、持続的な農業に貢献できると見込んでいる。
