セコムは10月12日、AI(人工知能)を活用して巡回・侵入監視を行うセキュリティドローン「セコムドローンXX(ダブルエックス)」を開発したと発表した。2024年春の発売を予定する。
「セコムドローンXX」は、2015年に実用化した敷地内への侵入があった際に不審者を自律飛行で追跡し、その映像をセコムのコントロールセンターに送信する、民間防犯用ドローン「セコムドローン」の機能をさらに進化させた機体。
新たに人や車両を検知する画像AIを搭載し、監視員が不審者・不審車両と判断して指定した物体を自動で追跡・撮影する。また、飛行時間と速度を大幅に向上させ、最大で半径約6kmのエリアを警備することを可能にした。
加えて、耐風性能を高め、赤外線カメラを搭載することで、悪天候や夜間の監視能力も向上させた。LTE通信などに対応しており、敷地内にWi-Fiの通信設備の設置が不要で導入できる。
さらに、新たに開発した格納庫では、ドローンの格納、離着陸、バッテリー交換・充電、機体のセルフチェックを全自動で行う。バッテリーは自動で交換できるため、短時間で次の飛行を実施できる。
セコムでは、あらかじめ決められたルートを飛行し安全確認を行う「巡回監視」、敷地内に設置するセンサーや監視カメラが検知した侵入者を追跡する「侵入監視」を始め、公共施設の点検業務や災害時の安全確認、河川の見回りなどの用途で利用を見込む。
サイズは、幅:1223×奥行き:1117×高さ:503mm(プロペラガードを含む、突起部は除く)で、重さが9.8kg。飛行時間は最大20分、飛行速度は最高で時速36km(自律飛行時)、飛行可能距離は最大12km程度、耐風性能は毎秒で平均10mとなっている。