リベラウェア、人材業のワット・コンサルが下水点検などでドローン「IBIS」導入

下水道関連設備で点検準備をしている様子

小型ドローン開発などのLiberaware(リベラウェア、千葉市)は10月31日、建設業界向け人材サービスのワット・コンサルティング(東京・中央区)が、地下ピットや下水関連施設の点検作業で小型ドローン「IBIS」を導入したと発表した。

ワット・コンサルティングは、主に建設業界向けの派遣や人材紹介事業を中心に、人材の教育・研修事業や業務受託サービスも提供する。同社では、狭く暗い危険な現場で、人に変わってドローンが作業を代替できる点に着目。一方で、こうした場所に入ることは、他のドローンでは難しかったが、「IBIS」はパイロットのスキルを高めれば可能と判断。導入を決めた。

同社は下水処理施設の調査で、施設内に汚泥を浄化する沈殿槽といった水槽の劣化状況の確認時にIBISを使用。鉄筋コンクリート製の水槽の壁面や天井部、内部に設置してある機械や装置の劣化状況を、人の目視点検に代えIBISで撮影している。

従来は水槽の水を抜いて、立てづらい場所に足場を設置して点検作業をするため、コストも時間もかかっていたが、IBISを使えば水を少ししか抜かなくて済むため、コストの抑制につながったという。

また、配管が入り組んだ廊下の壁面の漏水調査でもIBISを活用。壁面に配管やケーブルラックが設置してある廊下を、レーザースキャナを使った三次元化で、床に設置したレーザースキャナが、スキャンできない配管やケーブルラックの上面を、IBISを飛行させて撮影。レーザースキャナのデータを合わせることで、隅々まで詳細な図面を作成した。

同社では「近年はインフラの中でも橋梁の劣化が大きな問題となっている。例えば、箱桁の内部は、人が入って点検するのがとても困難。そういった所でも『IBIS』を活用するなど、ドローンの広がりを待つのではなく、我々が『IBIS』を使ってドローンを広める役目を担いたい」(水谷辰雄社長)としている。