大林組、スターリンクと自動充電ポート付きドローンで現場監理業務を80%削減

大林組は12月7日、KDDIスマートドローンと、米スペースXの衛星通信網「スターリンク」と自動充電ポート付きドローンを活用した現場監理業務を削減するシステムを開発し、実証実験を行ったと発表した。

今回、2社は自動充電ポート付きドローンが目視外で自律飛行し、建設現場と既存インフラの巡視、点検、計測、異常検知を自動で行うドローンシステムを開発。2月に三重県伊賀市の川上ダムに自動充電ポート付きドローンを設置し、システムでドローンを自律飛行させることで、ダム建設で現場監理の効率化に貢献できるかを検証した。

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設置したドローンポート(左)とCPSの画面

具体的には、KDDIのスターリンクをバックホール回線としたエリア構築ソリューション「Satellite Mobile Link」を使った通信環境の整備、自動充電ポート付きドローンでの定期的な監視・測量フライト、地震発生時を想定した、自動充電ポート付きドローンを使ったダムと貯水池の状況把握、撮影した写真を基にした3次元点群モデルの生成と大林組が活用するCPS(サイバーフィジカルシステム)での管理、撮影した画像のAI(人工知能)画像判定を使った建設現場の進捗状況判定を行った。

検証の結果、建設現場と既存インフラの巡視、点検、計測、異常検知を自動で行え、建設現場監理者の日常的な管理業務を大幅に削減できることを確認した。従来であれば工事事務所からの移動時間も含めて345分かかる業務を、システムを使うことで60分で実施し、80%の削減したという。

実証は、2社が官民研究開発投資拡大プログラム「PRISM(プリズム)」の「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト」に採択されたことを受け、実施した。今後は、全国の大規模建設現場での導入を目指し、システムの検証を進める。また、システムで複数のドローンを同時に管理する検証も実施する。