テラドローン、三井海洋開発とブラジルでドローン使ったFPSOの船体板厚計測を実施

テラドローンは12月19日、三井海洋開発と共同で、三井海洋開発がブラジルでオペレーションを行うFPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)の「FPSO Cidade de Mangaratiba MV24」で、ドローンを使った原油貯蔵タンク内の船体板厚計測を11月12日までに完了したと発表した。

テラドローンでは、超音波探傷検査機器を搭載したドローンを使って検査を実施。作業員が高所に上る必要がなく、タンク内の安全区域からドローンが行う作業を監視するだけで、安全に検査を行えるようにした。今回の計測方法については、世界的な船級協会のABS(米国船級協会)から承認も取得した。FPSOでのドローンによる板厚計測方法に対する承認取得は世界初という。

2社によると、FPSOの原油貯蔵タンク内の検査は、暗くて閉鎖的な空間で約30メートルの高所での作業が必要で、労働安全環境上の懸念事項と同時に、従来の検査では、作業員が、おおよその板厚計測地点を紙に記録する方法で行っていたため、定期検査で同一地点を毎回計測することが難しく、計測地点のトレーサビリティにも課題を抱えていたという。

今回の検査では、板厚計測結果と共に、ドローンが撮影した検査映像や3次元点群データの取得も可能となった。そのため、課題となっていた計測地点のトレーサビリティの改善も実現したとしている。

テラドローンと三井海洋開発は、例目の検査もリオデジャネイロ沖合の約300Kmで操業する「FPSO Cidade de Angra dos Reis MV22」で11月25日に完了した。2社は今後も、FPSOでの定期検査に今回の方法を適用して実績を積み上げ技術の発展させる考え。また、三井海洋開発では、ドローンを使ったトレーサビリティの高い計測データを活用し、高精度のデジタルツインモデル構築なども視野に入れている。