沖電気工業(OKI)は2月29日、東日本旅客鉄道(JR東日本)の高輪ゲートウェイ駅(東京・港区)で、災害発生時のロボットのあり方の実証実験を、3月9日から11日まで実施すると発表した。
実証実験では、OKIの高度遠隔運用プラットフォーム「REMOWAY」で制御する、案内ロボット、清掃ロボット、サイネージロボットといった複数のサービスロボットが駅構内で稼働する状況で、災害発生の緊急速報を受信した場合を想定し、ロボットと人間が共存する社会で災害時避難のあるべき姿と課題の抽出を行う。
案内ロボットは、イスラエルのロボテミが開発したAI(人工知能)アシスタント機能を搭載し、自律移動と遠隔操作が可能なスマート・ロボット「temi(テミ)」、清掃ロボットは、中国のガウシアンロボティクスの「Phantas(ファンタス)」、サイネージロボットについては、韓国のLGエレクトロニクスの「GuideBot(ガイドボット)」を使用する。
稼働中のロボットに対し、遠隔運用センターから災害発生時を想定し、災害運用を指示。指示を受けたロボットは、まず、電車利用者の避難通路などを妨げないように退避し停止。その後、退避場所の環境や状況に応じて、音声ガイダンスやモニター表示、ロボットを経由した通話で、利用者の避難誘導案内をする。
OKIでは、今回の実験で、「REMOWAY」の遠隔運用を通常運用から災害運用に切り替え時のロボットの挙動確認、利用者の避難の妨げになりうる要因などロボットが退避する際の課題の抽出、退避・停止後の誘導支援で、音声ガイダンス・モニター表示・通話などのロボットが実施する避難誘導案内の有効性の確認などを検証する。
OKIは、オフィスや商業施設の警備や施設管理にサービスロボットを導入する顧客とともに、自律移動型ロボットの遠隔運用の実証実験に取り組んでいる。同社は、今回の実証を通じて、通常時だけでなく、災害発生時にも顧客の安心と安全を最優先に人とロボットが協働できる公共空間の実現につなげる。