トルビズオン(福岡市)は3月1日、JR九州商事と、熊本県球磨郡湯前町でドローンの配送の実証実験を実施したと発表した。
実証では、湯前町のカフェ「ユノカフェ」で注文した「ケーキ丼」(200g×4個、搬送重量は約800g)を、湯前駅付近の駐車場に設置したドローンポートから、ゆのまえグリーンパレスキャンプ場に配送した。
駅付近にドローンポートを設置しての物資配送は、今後、駅に到着した物資を目的地までドローンで運ぶというラストワンマイルの実用化を見据えて設定した。実証当日は雨天のため往路のみを行った。搬送距離は2.5km。ドローンは「レベル2飛行」(目視内における自動飛行)で運航した。
トルビズオンとJR九州商事では今回、過疎化と少子高齢化が進む湯前町エリアで、自動車に代わる新たな物流の手段にドローンを利用することが、二酸化炭素削減と人手不足の解消につながるかを検証するために実証実験を行った。
一方、湯前町では、鹿やイノシシの生態調査といった森林調査の観点からもドローン利活用を見込む。実証実験の会場にしたキャンプ場をドローンの離着陸地点として利用することで観光資源として活用していくことも検討している。
2社は今後、湯前町から複数の自治体を巻き込んだ物流網を構築し、ドローン事業を推進していくとしている。