セイノーホールディングス(HD)は5月31日、静岡県川根本町、エアロネクスト、ネクストデリバリーと、セイノーHDなどが進めるドローン配送と陸上輸送を融合した物流サービス「SkyHub(スカイハブ)」を開始し、開所式を川根本町で5月30日に実施したと発表した。
第一弾で「SkyHub Delivery(スカイハブ・デリバリー)サービス」を6月1日から開始する。「SkyHub Deliveryサービス」は、スカイハブのアプリで買い物した地域の商店やスーパーなどの商品を希望日時に注文者宅に届ける買い物代行・配達代行サービス。
配送手段はドローンと軽バンで、ドローン配送では、エアロネクストがACSLと共同開発した物流専用ドローン「AirTruck(エアトラック)」を使用する。また、一時倉庫の機能を持つ「ドローンデポ」と呼ぶ配送の拠点を旧中川根南部小学校に構える。
川根本町のサービスでは、近隣にある地元スーパーの約60アイテムの食料品、日用品から商品を選び、希望時間を選択して注文ができる。料金は、購入品の代金に加え、配送料が(税込300円)とサービス料(商品代金合計の10%)がかかる。当面は午前12時までの注文を当日中に届ける。住民ニーズに応じてサービスを拡充し、対象エリアも拡大する。
第2弾では、飲食店と連携したフードデリバリー「SkyHub Eats(スカイハブ・イーツ)」も今年度中にスタートする計画。「SkyHub Eats」では、川根本町の提携する飲食店のフードをドローンや車で届ける。料金は、料理の代金に加え、配送料300円(税込)とサービス料(商品代金合計の10%)になる予定。さらに、「ドローンデポ」を活用し、運送会社と連携した共同配送も始める。
川根本町とネクストデリバリーでは、2023年に災害時の孤立集落を想定したドローン配送の実証実験を2回に亘り実施。12月には、セイノーHD、エアロネクストが、川根本町と町が目指す過疎化などの地域課題解決に向け、ドローン配送実証事業を含む次世代高度技術を活用した物流のビジネスモデルの構築で連携協定を締結した。
「物流2024年問題や働き方改革の問題も見据え、災害時の対応やデリバリーサービスでドローンを活用し、川根本町では当たり前になるように、ドローンを社会インフラにしていきたい。」と、薗田靖邦・川根本町長は、開所式でコメントした。
「SkyHub」は、ドローン配送と陸上輸送を融合した物流インフラを構築することで、地域課題の解決を図ることを目的に、セイノーHDとエアロネクストが全国で推進するサービス。川根本町は、社会実装フェーズに入った自治体として全国で10番になる。
セイノーHDなどでは今後、川根本町と連携しながら、町の課題や町民のニーズに沿って、ドローンなどの技術の活用し、持続可能な地域物流の確保と新しい社会インフラ整備に取り組むことで、町を活性化するとしている。