鹿島は1月10日、ハイパーデジタルツイン（HDT、東京・中央区）、羽田みらい開発、芝浦工業大学と、羽田空港に隣接の大規模複合施設「HANEDA INNOVATION CITY」で、デジタルツインを活用し、道路を横断するロボットの自動制御の実証実験に成功したと発表した。
実験では、HDTの技術を基に、リアルタイムで構築したデジタルツインから抽出される空間情報を鹿島のロボット統合管制システムに通知することで、道路を横断するロボットを自動制御した。
具体的には、建物に設置した複数台のLiDAR（ライダー）から取得したロボット周辺の車や人といった動体のデータをエッジコンピューターで解析し、デジタルツインを構築後、デジタルツインから、ロボットの自動制御に必要な空間情報をリアルタイムに抽出した。また、リアルタイムに抽出される空間情報を基に、ロボットが初めて走行する場所の3Dマップ作成や、環境変更でのマップ更新を自動で行い、即時にロボットと連携した。
さらに、リアルタイムに抽出される空間情報やそれを基に作成と更新される3Dマップを活用することで、ロボットが自身に搭載されたカメラやセンサーから得る情報だけではなく、検知範囲外の空間の状況をリアルタイムに把握した走行ができるようにした。
実験の結果、ロボットが搭載されたカメラやセンサーでは認識できない離れた位置や死角から接近する車や人を把握し、自動制御で安全な位置にロボットを停止させて衝突の発生を回避できることに成功した。4社では、これまで困難だったロボット単独での道路横断が可能となり、周辺の交通流や人混みを加味したロボットの自動制御の実現に近づけたとしている。
今後は、社会実装に向け、「HANEDA INNOVATION CITY」で実証実験を継続する。また、ほかの大規模施設でも技術を展開すると同時に、機能の拡充し安全なサービスの提供を目指す。
