プリファードロボ、戸田建設が新本社ビルに自律搬送ロボ導入、ドリンクカップ回収で活用

「TODA BUILDING」で稼働する自律搬送ロボット「カチャカプロ」
「TODA BUILDING」で稼働する自律搬送ロボット「カチャカプロ」

自律移動ロボット開発のプリファードロボティクス(東京・千代田区)は2月25日、戸田建設が、新本社ビル「TODA BUILDING」(東京・中央区)に、小型自律搬送ロボット「カチャカプロ」を導入したと発表した。

「TODA BUILDING」は2024年11月に開業。戸田建設では、新本社ビルにさまざまななIoTシステムやロボットを導入しており、「カチャカプロ」は、新本社ビル8階で、カップ置き場から使用済みドリンクカップの回収の自動化で活用されている。

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「カチャカプロ」のドリンクカップの回収手順

具体的には、カフェスタッフがボタンを押すと、「カチャカプロ」が起動。カフェに置いてある空の棚にドッキングし、移動を開始し、カップ置き場まで、人や什器にぶつからずに、約70mの距離を自律搬送する。その後は、ドッキング・アンドッキング機能を活用し、カップ置き場に空の棚を設置する一方、代わりに、使用済みのカップが置かれた棚を回収。さらに、使用済みカップが置かれた棚を搬送し、カフェまで戻る。

8階のフロアは、十数カ所の会議室と、数名のスタッフが勤務するカフェを併設。カフェでは、ドリンクや軽食の対面販売、会議室へのドリンク配送サービスを提供する一方、面積が大きいため、カフェスタッフに業務負荷が集中し、特に会議室へのドリンク配送や使用済みカップ回収の効率化が課題となっていた。

戸田建設では、この課題解決で「カチャカプロ」に興味を持ち、ショールームで実機デモと説明を受けた。その上で、ロボットが棚と分離・結合が可能なドッキング機構を備え、単機でも複数の棚を効率的に移動可能な複数の棚を効率的に運用できる点、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)が公開されており、内製で既存システムやIoTデバイスと簡単に連携可能な点、定距離12mのLiDAR(ライダー)を搭載し、大規模な新オフィスでも、安定的に稼働できる点、障害物を始め、動いている人もぶつからずに回避できる高い安全性、100万円以下で購入可能な価格を評価。導入を決めた。

今後は、エレベーターとカチャカプロを連携させ、複数フロア間の館内搬送を自動化するほか、搬送ロボットの運行データから、業務フローを最適化し業務改善に役立てる。さらに、自社で成功した事例を基に顧客企業にスマートオフィス構築サービスの展開も計画している。