ZenmuTechなど3社、秘密分散技術でドローンのデータ・通信を保護する実証試験に成功

実証試験の概要ミニチュア
実証試験の概要ミニチュア

ZenmuTech(ゼンムテック)は4月21日、ネクストウェア、プラントやインフラ設備向けロボットソリューションを手掛けるアイ・ロボティクス(東京・渋谷区)と、ドローンに秘密分散技術を搭載し飛行中のリアルタイムデータを高度に保護する実証試験に成功したと発表した。

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通常のドローン運用と秘密分散技術を使ったドローン運用の仕組み

実証試験では、ドローン内部構造を模したシステムを構築し、大阪城の模型の映像をシステム内に保存と通信を実施。保存媒体と通信経路を複数経路にわたって構築し、それぞれでリアルタイムに秘密分散の有無、秘密分散適用時の時間分散、マルチチャネル化、ストレージの物理的分散化などを試した。

実験の結果、ドローンを模したリアルタイムの秘密分散化でも、ドローンの機能を全く阻害することはなく、秘密分散で極めて高いセキュリティーを確保できることを証明できた。技術を活用することで、通信・記録データのリアルタイム無意味化や、なりすまし攻撃の無効化、安全性と耐量子性の確保、海外製ドローンへの後付けが可能な高度セキュリティー機能の提供が可能になる。

3社は、今回の実証試験の結果から、秘密分散技術が安価、軽量、鍵管理が不要で、既存ドローンに後付けが可能なことを確認できたため、産業現場の即時導入が期待できる実践的なセキュリティーソリューションが可能になったとしている。また、技術が国産ドローンの競争力向上に加え、セキュリティーで課題を抱える海外製ドローンの安全な国内利用も促進にもつながるとみている。また、将来的には、防衛や安全保障への応用も視野に入れている。