
DFAロボティクス(東京・港区)は4月24日、東京慈恵会医科大学附属柏病院(千葉・柏市)が運搬ロボット「KEENON(キーンオン」) W3」を導入したと発表した。
DFAロボティクスでは、東京慈恵医大柏病院が抱える課題を分析し、解決策の提案で、親会社のチェンジホールディングス(HD)傘下のセンサー事業を手掛けるビーキャップ(東京・中央区)の位置情報サービス「Beacapp Here(ビーキャップヒア)」とビーコンを活用。院内にビーコンを設置し、看護師と看護補助スタッフの稼働状況を「Beacapp Here」で分析した結果、院内では物を運ぶ・取りに行く動きが多いことが分かった。

そこで、同社は、スタッフが患者対応を一時中断し、検体や薬剤、医療物品の運搬のために往来を繰り返していることに着目。看護師や看護補助スタッフが外来に滞在し患者対応に使える時間を増やすため、検体と薬剤搬送をロボットに置き換える提案を行い、2024年10月から実証実験を実施した。
実験の結果、病院2階の検体・薬剤搬送は基本的にロボットが行うため、看護補助スタッフの往来回数を減らすことに成功。また、看護補助スタッフとロボットにビーコンを持たせた調査では、スタッフの1日あたりの平均運搬回数は9.5回から4.8回と半分に減り、平均移動時間も9分39秒から4分57秒と半分程度に削減された。
東京慈恵医大柏病院では、実証で、ロボットが間接業務を代替することで、看護師や看護補助スタッフが本来のケア業務に専念することが可能となり、少ない人数でも質の高い医療を提供できる環境が整できるとして、ロボットの正式採用を決めた。
では、今回の運搬ロボット導入を契機に、病院内の清掃などの間接業務もロボットで代替しする提案を行うことで、医療機関の人手不足の解消と生産性向上の支援するとしている。