ドーナッツロボティクス、接客と防犯対策可能な接客ロボット、万引防止で需要増加

接客ロボット「cinnamon Guide(シナモンガイド)」
接客ロボット「cinnamon Guide(シナモンガイド)」

ロボットの設計・製造スタートアップのドーナッツロボティクス(東京・港区)は7月31日、生成AI(人工知能)とロボティクスを融合させた接客ロボット「cinnamon Guide(シナモンガイド)」を開発し、店舗での万引対策に活用すると発表した。

「cinnamon Guide」は、接客や商品販売など複数の業務に対応するロボット。「動く防犯カメラ」として機能することが可能。AIカメラと連携し、万引など不審な行動を検知すると音声で警告する。

100カ国語以上の多言語翻訳機能を備えており、シナリオ設定によって棚前で自動接客し商品情報を画面で紹介、販促も行う。さらにスマートフォンでロボットを呼び出して目的地まで案内させることも可能で、巡回とリアルタイム対応を両立させた。

万引は全国的に増加傾向にあり、警察庁の2023年犯罪統計によれば万引認知件数は9万3168件で前年より11.4%増加。高齢化や社会的孤立、セルフレジ普及などが要因とされ、被害はドラッグストアやスーパーに集中している。

ドーナッツロボティクスによると、店舗では、人手不足による巡回の限界や固定カメラだけでは対応しきれず、新たな防犯対策のニーズが高まっているという。同社は、こうした課題解決で「cinnamon?Guide」を開発した。

2025年1月以降、トヨタや銀座銀座、BYDショールーム、紀ノ国屋青山店、電通カフェ「エジェバル」などで導入や実証実験が行われており、接客と防犯を兼ね備えた点が高く評価されている。ドーナッツロボティクスでは万引抑止機能への注目が高まりを受け、ロボットの販売代理店数は前年比で10倍に伸びたという。