ヤマハ発動機は10月23日、しなやかな動きをする7軸協働ロボットの新機種「Yamaha Motor Cobot(ヤマハ・モーター・コボット)」と、DC48V入力に対応する専用コントローラを発売したと発表した。
「Yamaha Motor Cobot」は、人の腕に近い柔軟な動きを可能にする7軸構成を採用。6軸ロボットではアクセスが難しかった狭小スペースや複雑なレイアウトにも対応し、障害物を避けながら滑らかに作業できる。

7軸構造は、X・Y・Zの3移動軸とロール・ピッチ・ヨーの3回転軸に、肘軸に相当する1軸を加えた構成で、人間の腕と同様の可動性が可能。全軸にトルクセンサーを内蔵し、コンプライアンス制御で、しなやかな動作を実現した。人と接触した場合には、即座に感知して動作を停止する安全機能も備える。第三者認証機関「TUV SUD」の機能安全認証の取得も予定する。
動作モードは、安全速度で稼働する協働モードに加え、産業用ロボットとしても使用できる高速動作モードを搭載した。最大アーム長は1300mm、最大可搬質量10kg。自動車や電子機器、食品、化粧品などの業種に対応が可能。
外観は、人と共に働く協働ロボットとして親しみやすさを重視したデザインに仕上げた。角の少ない曲面主体のフォルムと、光沢を抑えた塗装仕上げで、作業者に圧迫感を与えない工夫も施した。

一方、「Yamaha Motor Cobot」の専用に開発されたコントローラは、コンパクト設計で制御盤の省スペース化を実現。操作ペンダントは直感的なインターフェースで、作業者の熟練度に依存せず簡単に操作できる。
DC48V入力に対応しており、AGV(無人搬送車)やAMR(自律移動ロボット)とのバッテリー共通化が可能。協働ロボットを搬送機と組み合わせて移動させることで、生産ライン内の柔軟な自動化や工程再配置が容易にできる。
ヤマハ発動機では、今回の協働ロボットの投入で、単軸・スカラ・リニアモジュールなどの製品群に加え、自動化ソリューションの拡充を図る。今後は生産現場の効率化と品質向上に役立つトータルな自動化支援を強化していく方針だ。








