BlackBerry Japan(ブラックベリー・ジャパン、東京・港区)は5月21日、事業部門QNXが日本を含む7カ国1000人のロボット開発者を対象にした調査レポート「Inside the Robot: ロボットアーキテクチャの実態調査」を発表した。調査では、日本のロボット開発は、AI(人工知能)の能力向上よりも、「セキュリティー」や「安全認証・規制対応」を優先する傾向が明らかになった。

OS選定で重視する項目では、日本の1位は「セキュリティー」(52%)、2位が「機能安全認証」(45%)だった。グローバル平均はセキュリティーが47%、機能安全認証が30%で、日本は安全認証を重視する傾向が強かった。一方、「リアルタイム性能・決定論的動作」は、グローバルで34%だったのに対し、日本は24%にとどまった。

3~5年後の最優先事項では、日本は「安全認証・規制対応」が38%でトップだった。グローバルは「AI能力向上」が48%で1位だったが、日本は32%で4位だった。
QNX Japanのアガルワル・サッチン・カントリーセールスディレクターは調査結果について、「グローバルでは欧米などが開発を進めながら改良や改修していく傾向が強い一方、日本は段階を踏んで開発に取り組む傾向がある。日本で『セキュリティー』が1位になった背景にはこうした国民性がある。日本はAIを否定しているわけではない。まず安全なプラットホームを整え、その上でAIを実装するという考え方が強い」と説明した。

開発現場では、規制対応への自信と社内実装の差も浮き彫りになった。日本のエンジニアの78%が「規制対応に自信がある」と回答した一方、「組織として標準化されたプロセスが一貫して適用されている」と答えた割合は46%にとどまった。また、「安全認証の取得プロセスで開発スケジュールに遅れが生じた経験がある」と答えた日本の回答者は62%になった。

フィジカルAIは、日本の91%が「戦略的に重要」と回答した。一方で、フィジカルAIが安全上重要な状況で一貫した判断を下せるかについて「あまり自信がない」「まったく自信がない」とした割合は日本が28%で、グローバルの11%を上回った。人と同じ空間で動くロボットが増える中、日本の開発者はAIの判断と安全性を担保するリアルタイム制御の統合で課題を抱えていることが明らかになった。
アガルワル・カントリーセールスディレクターは「AIが実際に動くものに入ってくる中で、安全性をどう担保するかは国内外共通の課題になる」と指摘した。また、「信頼性の高い基盤ソフトウエアで確率的なAIを支えることが、フィジカルAIを実世界で安全に広げる条件になる」と語った。
調査は、ロボティクス開発に携わるソフトウエア開発者・エンジニアを対象に2026年2月25日~3月4日で実施。日本100人、米国250人、英・独・仏が各150人、カナダ・中国各100人の計1000人が回答した。








