
セーフィーは2月14日、ソフトバンク(SB)、コルク(東京・豊島区)、アスク(東京・千代田区)と、清水建設が2024年8月3から建設する相鉄鶴ヶ峰付近連続立体交差工事で建設現場のリアルタイムデジタルツインの実証に成功したと発表した。
今回の実証では、映像と画像情報に加え、工事現場全体の状況を詳細に把握するために、清水建設、コルク、ソフトバンク、アスク、セーフィーが連携し、施工現場のデータを仮想空間にリアルタイムで再現する「リアルタイムデジタルツイン」を導入。
実証実験のイメージ図
建設情報のモデリング手法「BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)」や「CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)」や点群データを統合や共有できるコルクのクラウドサービス「KOLC+(コルクプラス)」で構築した現場のデジタルツイン上に重機や作業員の3Dモデルを配置した。
一方で、アスクの四足歩行ロボット「Unitree(ユニツリー)Go2」に、ソフトバンクの高精度測位サービス「ichimill(イチミル)」の小型デバイスプロトタイプ機、セーフィーのウエアラブルクラウドカメラ「Safie Pocket2 Plus(セーフィー・ポケットツー・プラス)」、LiDAR(ライダー)を搭載し、自動巡回で情報を取得させた。
その上で、「ichimill」で取得した誤差数センチメートルの位置情報と3Dモデルを連動し、「Safie Pocket2 Plus」のリアルタイム映像を現実空間と同じ位置でデジタル空間上に配置することで、現場状況の視覚的な確認しやすさを実現した。
4社は今回の実証で確立した技術によって、建設現場での重機や作業員の正確な動きや位置情報のリアルタイムの把握ができるため、現場に行かなくても施工の進捗(しんちょく)や安全状況の確認が可能になり、迅速な意思決定が行えるという。
例えば、俯瞰(ふかん)的に工事現場全体を把握し、重機と作業員の動線確認や、現地で計測不可能な高さにある架線と重機との離隔、施工中のくい打機械の正確な位置をリアルタイムで確認できようになる。そのため、不具合を未然に防ぎ品質向上が図れる。また、施工管理者は細部まで可視化されたデジタル空間のデータから精密な施工管理を行えるようになる。
今後は自動遠隔巡視機能を四足歩行ロボットに実装し、360度パノラマカメラやセーフィーのカメラ、LiDARを搭載し走行させることで多様な情報を収集し、「KOLC+」のデジタルツインにリアルタイムで反映させる。
また、安全管理機能の拡張で、「KOLC+」のシステムで立ち入り禁止エリアを設定し、「ichimill」の位置情報から侵入を自動検知するシステムを構築する。加えて、携帯電話などの通信ネットワークが整備されていない山間部などの不感地帯でも利用可能にするため、ソフトバンクの衛星通信サービス「Eutelsat OneWeb(ユーテルサットワンウェブ)」の活用も予定している。