NEC、竹中工務店など3社、ドローン自律制御のリアルタイム位置測位技術を実証

実証の様子

日本電気通信システムは9月13日、竹中工務店、センシンロボティクスと、自律航行型ドローン制御で屋内外でシームレスな位置測位が可能なことを確認したと発表した。

3次元屋内外位置測位(MBS)技術を活用したリアルタイム位置測位の技術実証を本年8月に実施して確認した。

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実証の概要

具体的には、まず3次元屋内外位置測位を行うMBSサービスを元に数十ミリ秒ごとのリアルタイム測位を行う独自方式の位置トラッカー(MBSトラッカー)を試作してドローンに搭載した。MBSサービスが建設現場で機能することは実証済みという。

次に、屋外で係留状態のドローンを手動で航行させ、ドローンでRTK(複数の全地球航法衛星システム受信局を使った相対測位の高精度測位方式)の位置測位をすると同時に、真下の地面に向けてレーザー測距を行い、MBSトラッカー、RTK、レーザー距離計のデータを同時に取得して比較分析を行った。

また、MBSサービスの利用やデータの出力先としてクラウドとの通信を行うために、MBSトラッカーと地上との間は、4G通信のプライベートLTE「sXGP」で高信頼なデータ回線を構築した。

実証の結果、MBSサービスでリアルタイム測位を実現可能であることや、sXGPで高品質なデータ回線を確保できることを確認した。また、高さの測位に気圧を利用するMBSに対し、ドローンのプロペラによる気圧変動の影響も確認し、測位誤差の修正の知見を得た。

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自律ドローンによる巡回イメージ

NEC通信システムでは、実証で確認したリアルタイム位置測位の技術をドローンの自律制御と連携させ、屋内外をシームレスに運行させる技術を開発することで、建築現場での労働生産性向上や、物流運搬の改革が見込めるとしている。今後は、この検証結果を基に、竹中工務店などとサービス提供につなげる考え。