オオクマドローン、福島・大熊町の帰還困難区域で複数ドローン使用し測量実験

実験で使用した石川エナジーリサーチのドローン「ビルドフライヤー」

水素燃料ドローン開発のOKUMA DRONE(オオクマドローン、福島・大熊町)は2月16日、福島県大熊町の帰還困難区域内で、複数のドローンが同時航行し、3Dマッピング測量を行う実験を2月14日~16日に実施したと発表した。

実験は、福島県大熊町の特定帰還居住区域内にある宅地や建造物などの3Dマッピング測量で複数ドローンの同時運航と一元管理システムの試験運用、ドローンを使った効率的で安全な測量作業、同社の一元航行管理システムの効果検証を目的に行った。

機体は石川エナジーリサーチの「ビルドフライヤー」、カメラはソニーの「α6400」、3Dマッピングソフトでは「Pix4D」を使用。特殊カメラを搭載した複数のドローンで当該地域を上空から撮影後、撮影したデータを3Dマッピングソフトで3Dマップ化した。

実験での測量データ

具体的には、福島県双葉郡大熊町大字熊字新町エリアをドローンが飛行し、土地・建物と周辺状況の撮影とデータを取得。実験の結果、人が地上を歩いて測量する従来の方法よりも、所要時間と費用の両面で効率良く測量を行うことが可能なことを確かめた。

福島第一原子力発電所事故以降、福島県浜通り地域では、政府の方針に基づいて、住民の帰還と生活再建に向けた除染作業が進行中で、今後、特定帰還居住区域でも除染作業が進む見込み。

オオクマドローンによると、これまで福島県浜通り地域の放射能未除染区域の測量は、人力による作業が主で多くの時間を要し、作業員の被ばくリスクという課題があったという。同社では今回の実験で、ドローンの活用で人の安全を確保しながら、迅速で正確なデータ収集が可能と分かったことから、今後、帰還困難区域の除染作業の効率化に役立つとしている。