ブルーイノベーション、清水建設が建設現場の点検作業で球体ドローン導入

ブルーイノベーションは4月16日、清水建設が、建設現場の点検作業の安全対策で、屋内点検用球体ドローン「ELIOS 3」を導入したと発表した。

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屋内点検用球体ドローン「ELIOS 3」

清水建設の建設現場では、建物品質の確保で、工事が終了する前に、施工状態の不具合を確認する検査を実施。また、施工後も建物の維持管理で、定期的に点検作業が必要となっている。一方で、酸素欠乏症の危険を伴う地下ピット内や、足場を使用しないと点検できない高所など、検査や点検作業を実施するには危険が伴う場所があった。

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地下ピットの入口

同社では、危険が伴う場所で、点検作業の安全対策のツールで、以前からドローンに着目し、自社で専用ドローン開発も検討。しかし、GNSSやコンパスの入らない屋内の地下ピット内を飛行では、ドローン点検業務技術があるプロのドローンパイロットでも安定した飛行ができず、ピット内での点検は難しかったという。

こうした中、GNSS(全地球航法衛星システム)やコンパスの入らない屋内でも飛行可能な、ブルーイノベーションの点検ドローン「ELIOS 3」に着目。地下ピット内部、施工中の建物内部、トンネルの中などの現場で導入検証した結果、安全面に加え、目視点検と同等レベルの成果、作業日数の削減が可能で、生産性やコストに寄与するとして、正式に導入にすることにした。

例えば、これまで酸素欠乏症の危険を伴う地下ピット内作業の具体的な安全対策で、作業前日から1日かけて送風機でピットの空気が入れ替わりやすい環境に整備し、十分に換気を行った上で、マンホールの上から酸素濃度計を紐で括り付け測定を行うといった人が安全に作業開始できるまでに、多くの労力や機材などのコストがかかっていた。

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ドローンは狭い地下ピット内に入れることが可能

今回、「ELIOS 3」の導入で、作業員が地下ピット内に立ち入ることなく、1日かかっていた換気作業も不要で、安全な場所での目視点検が可能となった。また、「ELIOS 3」に搭載するLiDAR(ライダー)で、屋内でのドローンを使った撮影位置の特定が可能になり、地下ピットだけでなく、ホールや劇場の天井など、足場を使わないと点検できなかった高所などの危険な場所での点検作業や、改修工事前の足場計画も役立つことが分かったとしている。