NTTグループのドローン事業会社のNTT e-Drone Technology（NTTイードローン、埼玉・朝霞市）は5月27日、ナイルワークス（東京・千代田区）の農業用ドローン事業の開発リソースを譲り受けることで合意したと発表した。譲受の実行日は6月30日を予定する。
ナイルワークスは、自動航行や精密散布や施肥といった技術を持つ農業ドローンベンチャー。今回、NTTイードローンでは、同社が持つ知的財産権、開発エンジニアなど、新製品やサービスの開発リソースを取得する。
起伏のある圃場でも安定した完全自動航行を可能にする複数センサーとGNSS（全地球測位衛星システム）を活用した位置制御技術、作物に応じて最適量をピンポイントで散布できる精密散布技術なども含まれており、今後、NTTイードローンが開発する農業用ドローンで活用する。
一方、ナイルワークスの既存ドローン製品の在庫や顧客との契約、運用、保守、サポート業務などは対象外となる。また、ナイルワークスは譲渡完了後の2025年9月末以降、解散と清算手続きに入る。
NTTイードローンは2021年の創業以来、農業用ドローンの製造と販売を展開してきたが、近年は市場ニーズの高度化に対応するための開発体制強化が課題となっていた。今回のリソースの譲り受けで国産の農業用ドローン開発を加速する。
今後は、果樹栽培への対応を見据えた大型機の開発、小規模農家から大規模法人まで幅広いユーザーの対応、サポート体制の強化などを通じて、事業を展開。農業分野だけではなく、インフラ点検や災害対応、安全保障といった分野へのドローン活用も視野に入れ、社会実装を進める方針だ。
