
テラドローンは10月16日、子会社のテラドローンインドネシアが、農業用ドローン「G20」で、インドネシアの国産比率認証制度「TKDN認証」を取得したと発表した。認証取得で、政府・公的プロジェクトの参画機会拡大と現地部品調達によるメンテナンス対応の迅速化を見込む。
「TKDN」は、製品に占めるインドネシア由来の原材料や労働力などの割合を評価し、一定基準を満たす製品に認証を付与する制度。インドネシア工業省の基準に基づき、指定検査機関による審査と登録を経て認証が与えられる。政府・公的プロジェクトの入札における参加要件や加点対象となることが多く、取得企業にはプロジェクト参画の機会が拡大する利点がある。
テラドローンは、世界のパーム油生産の約6割を占めるインドネシアで、アブラヤシ栽培向けに農薬や肥料散布サービスを展開してきた。TKDN認証を取得した「G20」は、20kg/20Lの大容量タンクを備え、段々畑や丘陵地など複雑な地形にも対応する農薬・肥料散布用ドローン。自動航行ルート生成、障害物回避、地形追従飛行などの機能を搭載し、現場環境に応じた精密散布を行える。
テラドローンインドネシアは、2025年3月から現地サプライヤーの選定と技術検証を開始し、複数部材の現地調達を最適化。その結果、「G20」は、ドローン分野のTKDN認証基準(30%)を上回る31.26%の国産比率を達成し、指定検査機関の審査を経て認証を取得した。
同社は、認証取得で現地での部品調達が容易になり、修理・部品交換などのメンテナンス時間の短縮とサービス停止時間の削減を見込む。
今後は、「G20」の国産比率を50%まで引き上げる。また、「G20」以外の農業用ドローンでもTKDN認証の取得を進め、対象機種の拡大を図る。並行して、ドローンの農薬散布サービスの提供も拡大する。