サントリーホールディングス(HD)は11月30日、工場での開梱、計量、品質確認、タンク投入といった、原料の取り扱い業務を、ロボットなどで自動化する技術検証を12月から本格的に開始すると発表した。
検証は、11月に構築したサントリー九州熊本工場内の技術検証設備を使い、生産現場に近い環境で進める。具体的には、共同で自動化技術の開発に取り組んできた安川電機と、AI(人工知能)を活用し、ロボットを使った単一の装置で、様々な大きさや梱包形態の原料を取り扱う技術の有効性を確かめる。
検証する技術は、原料を取扱時の人間の感覚や判断をデータ化し、そのデータを学習したAIを使用。AIがリアルタイムで原料の大きさや梱包形態を識別し、つかむ位置や開梱の仕方を判断することで、単一の装置で種類の異なる荷姿の原料を的確に取り扱えるようにして、自動化を実現する。
サントリーHDは、2025年以降に自動化技術を各地の工場での導入を目指す。自動化で、人手による原料の取り扱い業務の時間を約50%削減できると見込む。同時に、重い荷物を扱う負荷の高い作業もなくす。一方で、同社では、自動化導入で創出された時間を、先端技術の探索、美味の追求など付加価値の高い業務に充て、商品・サービスの品質向上につなげる。