キユーピー、安川電機と惣菜用ふた閉めロボット開発、グループの惣菜工場で実運用

惣菜用ふた閉めロボットの実運用の様子

キユーピーは12月5日、安川電機と共同開発する、多品種の容器に対応した、惣菜盛り付け工程の自働化システムの第一弾で、グループ会社のデリア食品の生産ラインに惣菜用ふた閉めロボットを導入し、11月末から実運用を開始したと発表した。

キユーピーグループでは、人手不足に対し、生産現場を中心に様々な自働化に取り組んでいる。特に惣菜の生産現場は人手が必要な工程が多く、中でも多品種に対応したふた閉め工程は自働化の難易度が非常に高いことから、安川電機と共創で取り組みを進めている。
キユーピーによると、数種類のふたに対応したふた閉め装置は販売されているが、惣菜は商品の入れ替えが多く、短期間で容器変更が必要になるため、従来装置では新容器に対応する装置の設定に時間がかかり、人手に頼らざるを得ない状況だったという。

そこで、安川電機と、「多品種容器対応」「人の作業スピードと同等性能」「作業者にやさしい操作性』の3つをコンセプトに掲げ、この課題を解決するシステムの共同開発をを2022年12月から開始。安川電機がロボット自働化の知見、キユーピーは生産・品質の知見を持ち寄ることで、コンセプトに沿った技術を開発した。

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手前に積み上げた容器のふたをロボットアームが取り、惣菜の容器に押し付ける
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ロボットアームが上がり、ふた閉めが完了する

具体的には、「多品種容器対応」では、60品種以上のふた容器に対応し、自働的に容器に合ったふたサイズへの切り替えが可能にした。「人の作業スピードと同等性能」に対しては、作業熟練者と同等の毎時1300パックの作業スピードと動作の正確性と確実性を再現した。「作業者にやさしい操作性」については、多言語に対応し誰でも使うことのできるロボットに仕上げた。

一方で、同社では、生産現場ではふた閉め工程のほかにも、原料の秤量(ひょうりょう)、惣菜の盛り付け、商品の積み付け、生産計画の策定など、多くの工程で自働化できる可能性が残されているとしており、グループで食品製造の業務自働化技術開発に様々な企業と取り組み、食品工場全体の生産性向上と人手不足への対応を推進していくとしている。