キリンビバレッジとキリングループロジスティクスは12月8日、三菱重工が開発した「自動ピッキングソリューション」を海老名物流センター（神奈川・海老名市）に導入すると発表した。2024年12月に本格稼働を開始する。
ソリューションは、これまで作業者自身が効率化を考えながら行っていたピッキング作業を、ピッキング実績データを基に、三菱重工が研究開発する、様々な機械システムを同調・協調するプラットフォーム「ΣSynX（シグマシンクス）」で自動化･知能化した。
独自開発の最適化エンジンや統合制御システムを使用し、複数のAGF（無人フォークリフト）、AGV（無人搬送車）、ピッキングロボットを効率的に連携させることで、搬送・ピッキング回数の削減、ピッキング工程の最適化とスループット（処理能力）向上を実現した。
夜間帯に無人でピッキング作業を行うことも可能。停電・自然災害時に電力が停止してもソリューションが稼働できるように、作業者が手動で動かす設計に変更することもできる。
また、自動化・知能化した設備のため、原則的に完全自動化への切り替えが可能。一方で、今回は、有事の際に人による作業が可能なハイブリッドなオペレーション設計にすることで、停電・自然災害などによるBCP（事業継続計画）を考慮した構成にした。
キリンでは、三菱重工業と三菱ロジスネクストと行った、飲料出荷拠点に自動ピッキングソリューションを導入する共同実証で、物流現場での実効性が検証されたことから導入を決めた。
同社では、ソリューションを導入することで、飲料が入った重量のある段ボールを人の手を介してピッキングを行う重筋作業やフォークリフト搬送を自動化し、作業環境の改善やピッキング人員を検品などの作業に再配置を進めることができるとしており、物流センター全体の人手不足解消、待機車両時間の短縮につながり、物流の2024年問題の対応を図れるとしている。
