コネクテッドロボティクス、農水省の事業に採択で食品工場の製造ロボット普及を推進

コネクテッドロボティクス(CR、東京・小金井市)は1月9日、農林水産省の中小企業イノベーション創出推進基金事業で、技術実証などを行う「フェーズ3基金事業」に採択されたと発表した。

同社は、今回の事業で、代表スタートアップを務め、触覚センサー開発のFingerVision(フィンガービジョン、東京・文京区)、食品、化粧品、医薬品向けロボット開発のCloser(クローザー、茨城・つくば市)と共に13社のコンソーシアムを組成し、連名提案を行い、交付限度が総額で約24億円、期間4年間に採択された。

事業では、コンソーシアムに参加する日本惣菜協会などや大学と連携し、全国の食品工場の生産性向上、人手不足などの課題で、製造工程を自動化するロボットシステムの社会実装の拡大を目指す。

具体的には、盛り付け工程を自動化する汎用ロボットシステムの食品工場への普及、100種の惣菜のハンドリングが可能な技術を開発し、惣菜具材の多品種対応の実現、盛り付けロボットの製造原価の低減し、ロボットシステムの低価格化を図る。

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CRの惣菜盛り付けロボットシステム「Delibot(デリボット)

CRによると、食品製造業は、製造業の中でも労働人口が最も多く、生産性が低いことが課題となる一方、惣菜市場は10兆円を超える産業で今後も拡大するとしている。しかし、惣菜製造企業の大半は中小企業が占め、低温・高温などの過酷な環境での労働も多いことから深刻な人手不足に直面しているという。

また、特に、惣菜盛り付け工程は対象物が不定形であること、多品種小ロット生産であることから自動化へのハードルが高く、人員の半数以上が従事する生産性が最も低い工程と指摘している。

同社では、生産人口の減少が進む中で、食品製造業が直面する課題を解決するには、製造工程の自動化と、生産性向上による、人手不足の解消が不可欠で、そのためには、多品種対応と低価格化で食品製造工場への導入ハードルを下げることが重要としており、今回のプロジェクトで、この課題にコンソーシアムで取り組むことで、社会実装につなげるとしている。