KDDIは9月21日、アイサンテクノロジー(名古屋市)と、長野県塩尻市の中山間地域で自動運転車からドローンが離着陸する物流実証を9月8日に成功したと発表した。
実証は、自動運転車が「SLAM」と呼ばれる移動体の自己位置推定と環境地図作成を同時に行う技術、ドローンは「PPP-RTK」と呼ぶ高精度位置測位技術の異なる測位方式を、2社が開発した「協調制御プラットフォーム」を活用することで連携し、自動運転車とドローンが互いの位置情報を把握して協調動作できることを確認した。
具体的には、荷物を載せたドローンが自動運転車上から飛び立ち、中山間地域を飛行したのち自動運転車上へ帰還するシナリオで実施。自動運転車には受信機を取り付けず、プラットフォームを使用し、自動運転車の「SLAM」、ドローンの「PPP-RTK」の測位方式が、そのまま使用できることを確認した。この結果、自動運転車とドローンに対し機器設置などをカスタマイズする手間の削減が見込めるという。
2社は今後、自動荷物配送サービスの社会実装に向けて、荷物配送計画から配送・帰還までをすべて自動で行えるよう本プラットフォームの機能を拡張する。また、異なる測位方式を使用するスマートモビリティの協調制御に成功し、技術を応用することで、自動走行ロボットや水空合体ドローンなどの多様な機器同士の連携が可能となりことから、多様な機器を活用したユースケースを想定し、プラットフォームの機能開発を推進する。