KCCS、北海道で車道走る複数の自動配送ロボットを操作者1人で遠隔監視・操作する実証実験

車道を走行する自動配送ロボット

京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は10月25日、北海道石狩市緑苑台東地区の一部エリアの車道で、1人のオペレーターが複数台の自動配送ロボットを遠隔監視・操作しながら配送サービスを行う実証実験を開始したと発表した。国内初の事例という。29日まで実施する。

実証では、車道を同時走行する複数台の中速・中型自動配送ロボットを、1人のオペレーターが遠隔監視・操作する。北海道石狩市緑苑台東地区の一部エリア(住宅街)で実施。1人が複数台の自動配送ロボットを運用することで、コスト低減や運用効率の改善につなげる。配送サービスは地域の配送事業者と小売事業者と共同で実施する。

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複数台遠隔監視の様子

KCCSでは事業で、新たに開発した、複数台の運用が可能な遠隔型自動運転システム、自動配送ロボットがオペレーターの遠隔操作なしで継続的な自律走行を行うための交差点の横断や駐車車両の回避を自動で行う技術、走行するルートやスケジュールを状況に応じて変更できる運行管理システムの検証も行う。

遠隔型自動運転システムは、ロボットの自律走行の開始と停止を行う専用のコントローラーや全体を監視できる表示システムを搭載。KCCSの遠隔監視室から、ロボットのカメラからの映像や位置情報、センサー情報などを把握できる一方、オペレーターは表示システムを利用して走行中の全ロボットの状況を確認できる。

運行管理システムでは、地図上で複数台の自動配送ロボットの位置を表示しながらリアルタイムに監視・運用が可能。また、運送事業者が、自動運転車を活用する国土交通省の検討会の内容を参考に、有資格者が運行管理・指示を行う運用体制も構築した。

事業は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「革新的ロボット研究開発基盤構築事業/自動配送ロボットによる配送サービスの実現」で取り組む。KCCSはNEDOと事業を通じて、同時に複数台の自動配送ロボットを監視できるシステムの機能拡張や、自律走行比率の向上、安心・安全を示すエビデンスの収集を行い、自動配送ロボットの社会実装を目指す。