JR東日本新潟シティクリエイト、ドローンと鉄道で佐渡特産品を東京に運ぶ実証事業

実証事業で使用する、空解のドローン「QUKAI MEGA FUSION 3.5」

JR東日本新潟シティクリエイトは11月16日、ドローン運航などを手掛けるAIR WINGS(エアーウイングス、東京・江戸川区)、新潟市、佐渡市と、過疎地域などでのレベル4飛行に対応したドローン物流の実証事業を実施すると発表した。

今回の実証事業は、国土交通省の無人航空機などを活用したラストワンマイル配送実証事業の採択を受けて行う。具体的には、佐渡からドローンで佐渡の「南蛮エビ」「メガニの」海産品を新潟まで空輸し、JR東日本が展開する列車荷物輸送サービス「はこビュン」と連携して、上越新幹線で、11月21日、11月22日に東京都内の飲食店に配送する。

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実証事業の概要

JR東日本新潟シティクリエイトが、特産品輸送シナリオ企画・調整、AIR WINGSは、実証実験のとりまとめ、ドローン運航責任者、新潟市と佐渡市は、離発着地点の地権者調整、自治会や住民への周知、協力依頼、会議施設の提供を担う。

実証事業で使用するドローン「QUKAI MEGA FUSION 3.5」

ドローンは、空解の「QUKAI MEGA FUSION 3.5型」を使用する。機体は、離島間物流に求められる長距離飛行と高いペイロードを兼ね備えており、国内のドローン物流実証で数多くの運用実績を持つ。JR東日本新潟では、実証で越佐海峡の厳しい飛行環境にも耐え得る飛行性能も証明する。

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南蛮エビ

配送する「南蛮エビ」は、鮮やかな赤色と形が赤唐辛子(南蛮)に似ていることから「南蛮エビ」と呼ばれる甘えび。佐渡沖の水深400m前後、水温1度の海洋深層水で育ち、甘さが自慢という。

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メガニ

一方、「メガニ」は、12月から2月ごろだけ市場に出る、メスの小さな蟹。新潟では「メガニ」と呼ばれており、濃厚な産卵直前の卵が、冬限定の珍味として楽しまれている。

「南蛮エビ」は、「酛 TOKYO(もととうきょう)」(東京・中央区)が11月21日、「方舟大吟醸 しずく店」(東京・中央区)、「方舟大吟醸 いろり店」(東京・中央区)に11月22日に配送する。「メガニ」は、「Alter Ego(あるてれーご)」(東京・千代田区)に11月21日に送り届ける。

JR東日本新潟シティクリエイトは、JR東日本の新潟エリアで駅ビル事業や不動産事業を展開し、首都圏での新潟県の地産品や工芸品の販売やPRにも取り組んでいる。今回の実証事業は、ドローンと上越新幹線を組み合わせ、地域の物流ニーズや新潟駅の物流トランジット機能の検証を目的に、新潟駅での新たなサービス展開を検討する一環として実施する。

同社では、今後の新潟駅や周辺の開発に加え、首都圏での地産品販売や地域情報の発信などでの活用も見込む。同時に、AIR WINGSと、ドローンと新幹線で結ぶ、新しい物流動線の開拓を通じて、佐渡の魅力ある地産品の掘り起こしと情報発信を行っていくとしている