セイノーホールディングス(HD)は12月1日、長崎県松浦市、エアロネクスト、ネクストデリバリー、KDDIスマートドローンと、松浦市で新しい物流サービスの構築を目指した、離島でのドローン配送の実証実験を、11月29日に実施したと発表した。
実証は、松浦市にある離島の鷹島を中心として、複数の離島を空で連結することを想定して行った。まず、橋で陸続きの鷹島と内地を陸上配送で結び、鷹島島内をドローンとトラックによるハイブリッド配送で効率化を図る一方、鷹島から隣の黒島にドローンで即時配送するルートを構築し、緊急物資、買い物サービス、フードデリバリーのシナリオで配送サービスを実施した。
また、住民の理解度向上、地域課題の洗い出しを目的に道の駅鷹ら島を仮設のドローンデポ(ドローンの離発着拠点)、船唐津港、黒島港にドローンスタンド(ドローン物流の起点・終点に設置する離着陸設備・スペース)を設置した。
ドローン配送はエアロネクストが開発した物流専用ドローン「AirTruck(エアトラック)」を使用。機体の制御には、KDDIスマートドローンが開発したモバイル通信を使った機体の遠隔制御・自律飛行システム「スマートドローンツールズ」の運航管理システムを活用した。
実証当日は、道の駅鷹ら島から船唐津港までの片道約7.3㎞・約16分を、往復で荷物を搭載してドローンが配送。また、道の駅鷹ら島から黒島港までの片道約5.8㎞を約13分でドローンが配送した。
今回の実証は、環境普及機構の「令和4年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金交付対象事業(社会変革と物流脱炭素化を同時実現する先進技術導入促進事業)」で採択された事業の一環で、ネクストデリバリーとKDDIスマートドローンが連携し、セイノーHDとエアロネクストが開発するドローン配送と陸上輸送を融合した物流サービス「SkyHub(スカイハブ)」2の社会実装の検討を目的に行った。
セイノーHDなどでは今後、地域住民の理解促進と地域課題の解決に向けスカイハブの実用化に向けた検討を進めていくとしている。