ネクストデリバリー、茨城県境町と「レベル3.5」飛行のドローン配送を実施

境町名産の干し芋やドリンクの入った箱を配送して戻る物流専用ドローン

ネクストデリバリーは12月15日、茨城県境町と、国交省が新設したドローン飛行レベル「レベル3.5」の飛行承認を受けたドローン配送を、12月13日に実施したと発表した。レベル3.5の実施は本州では初という。

飛行は、ドローン配送に物流専用ドローン「AirTruck(エアトラック)」を使用し、運航管理(リモートパイロット)は、有資格者が山梨県小菅村から遠隔で行った。ドローンは、約4.5㎞の往路を約11分で飛行した。

「レベル3.5」は、ドローンのカメラで歩行者などの有無の確認することで、補助者や看板の配置といった現在の立ち入り管理措置を撤廃し、無人航空機の操縦ライセンスの保有と保険の加入を条件に道路や鉄道などの横断を伴う飛行を容易とする制度。

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ドローン配送された荷物を開けて中身を確認する住民の親子

今回の飛行では、機上のカメラで安全を監視することで、着陸側に補助員やパイロット配置が不要となったため、ドローンが自動で着陸し、境町名産の干し芋やドリンクの入った箱を切り離す置き配を実施。離陸後は、住民が箱を拾い上げ中身を確認した。

境町では、ドローンの飛行で国道354号の横断の際に、移動車両の上空を飛行できない規制があったため飛行を一時停止をしていた。

境町は、2022年度からドローンを活用した新しい商品流通の仕組みの構築に着手し、2023年2月にドローン配送と陸上輸送を融合した物流サービス「SkyHub(スカイハブ)」の拠点「ドローンデポ境町」を開設。23年度からドローンの定期飛行を進めてきたが、離陸からすぐの箇所で道路横断の必要があり、これまで一時停止を取らざるを得ない状況が相次ぎ、配送時間にズレが生じていた。

しかし、「レベル3.5」飛行では、有資格者パイロットの操縦の下でルールを満たせばドローンが一時停止せず移動車両の上空の運航が可能となる。そのため、境町での飛行では、必要資格を持つパイロットが運航する条件を満たしており、一時停止をすることなくドローンを運航し、配送を実施できた。今後は、レベル3.5の飛行を活用することで、空のインフラを活用したオンタイムでスムーズな運航の実現と、社会実装のスピードを加速化していく考え。